公募団体展への出品の動機は様々であろう。公募展の功罪も色々あって、個人の思惑と集団の多数決原理と折り合う訳もなく、出品者はそれぞれ何かしら、あつれきや悲哀を味わうもののようだ。私にとっての新制作はいろいろな人との出会いと、絵に対するロマンの追求ということでとても大事な場だったように思う。
昨年より良かったとか、マンネリだとかそんな制作態度がひと目で分かり、今更ながら、他人は自分の鏡であり、見ること作ることの難しさを知るばかりだ。離れ小島で一人でアートは成り立たない。見てもらう人がいなくてはダメなものだ。そんなことを考えながら毎日が制作で日々が格闘と思っている。
新制作には優れた先輩たちの遺産がある。それは我々の心に残る先人たちの生き様や作品や言葉などだ。新制作展出品の動機の一つのあこがれが一番大きいのかも知れない。それらの遺産を胸に自分だけの道を見つけ、精進し、少しでも前に進めたらと思う。
いつも思うことだが、新しい年度になるたびに、新制作の大事な志に戻り、改めて自分たちの足元を見つめ直して制作に励みたいと思っている。