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「春の修羅 #2」
W106×D94×H71㎝
材質:花崗岩(高太石)
〈2014〉 |
〈作者の言葉〉
東日本大震災をモチーフとした。
それは自分にとって大きな考え方の転機となった。
天災は人間の作った様々な建造物、法律、想定をはるかに超えて、
根こそぎ無にするほどの圧倒的な力を持つ。
これはしかし、豊かさや利便性と引き換えに、
自然を支配し搾取しまくるという人間たちへの、
貴重で必要な天の啓示だったのかもしれない。
通常の人間社会では決して体験できない非日常の連続、
そこから物事の表面に隠れてきた真の姿が次々に暴かれてゆく。
人間たちは大自然の表層に貧弱な仮想世界を作ってきたに過ぎない。
無力感もあるが、一方では震災前よりもいろいろな物が貴重に思える。
失った以上のものを、命がけで守り抜いて次代へと受け渡さなければならない。