SNSで語り合うのも今風ですが美術館で作品を鑑賞し作家とあるいは作家同士語らい、SNSで論評広げるのもいいかもしれません。
私は第51回展に会員にしていただきました。創立会員の方々とお話する機会はそれほど多くはないのですが、作家同士の語らいは華やかで、豊かさの余裕が感じられました。昨今は、何かと難しい世の中になってしまった様に思います。しかし新制作展を、コロナを理由に自宅にこもっていないで語らいが励みになるようなチャンスにしましょう。もちろんマスクをして一定の距離を保ってですが。
昨年の11月12月にはもうコロナが収束と期待値が高まったのにも関わらず、今年になり再び危険水域を超えました。コロナは我々の生活にあらゆる変化をもたらしました。困難な日々が長期に渡って続いています。こういう苦境にこそ、芸術は大きな役割を果たさなければならないのではないでしょうか。人と人が接することがことがむずかしい中で、芸術は距離があっても心を伝える役割を持っています。コロナで自宅にいることが多くなり世間の中に身を置くことが減り、孤独で、自己の中にとどまってしまいがちです。芸術は世間に身を置き、あるいは世間と向かい合って今の自己を表現します。
芸術は一人の世界にいないと内容を深めることが難しいですが、世間に目を向けていてこそ深められるのかと思います。
あらゆる変化を当たり前に咀嚼しているのが人間だと思います。我々作家はその変化に反応してそれを造形で表現しているのではないでしょうか。家族のこと、生活のこと、社会のこと無視することができません。アトリエにこもる時間が増えたことで、お一人お一人の秘めたる世界をじっくりと煮詰める機会にもなっている気もします。
今、アトリエの中で、じっと温め熟成されたイメージを、新制作展で発表していただきたいと思っています。
85回新制作展はアトリエからの心を発信します。