第71回展(2007年) 委員長挨拶

カテゴリー: 第71回展の記録 オン 2007年11月26日
委員長挨拶 展覧会風景 新会員 受賞者紹介
我々は決して忘れない。

我々は今、此処にいる。
かつて9人の青年が志を持ち、この場―“新制作”を創立した。
多くの美術作家がここに拠り集い、互いに研鑚し合い、実り豊かな果実を実らせた。

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 そして71年の揺籃の歳月が流れ過ぎた。
多くの先輩たちは静かに去っていったが彼らの残した実りは、いまだ涸れることはない。ご覧頂いているように、この“場”は大きく緑豊かに種々実を結ぼうとしている。多岐に亘る表現手段、個々の思想、行動の軌跡、素材の手段、等々…は、作家たちが集い立つこの緑豊かな“場”こその答えだと思える。
脈々と培い育んだ“場”。今は二百数十名の作家の集団となっている。
今後も更に発展していくであろう。また、このなにもかも新天地で更に拠り合い、様々な哀歓を重ねその歴史を綾なし紡いでいくことだろう。
 個々の作家の完成は、膨大な労働と時間、努力の産物である。今日よりも明日、更に来年その次と止まる術も無い。従ってこの“場”は個々の作家とその作品だけで成立はしない。それを鑑賞し、更にそれらをそこに存在せしめた空間を感じ取ってこそ作家たちの存在は完成する。また、作家自身も他作家たちと反映し合い、させることによって、“場の存在”を確認できるであろう。 これは言ってみればここは作家同志の研鑚の場でもあり、それがために多くの作家が育ち豊かな果実となって存在している。 どうか鑑賞される多くの方々も一歩踏み込んで、新しい美術館で展開する新制作協会の『場』を感じられ、色彩・フォルム・デザイン、また個々の作家と共に実り豊かなこの“場”を共有されることを切に願っている。

更に長年月お世話になった東京都美術館、快く受け入れて下さった国立新美術館、この大きな変動期に万難を排して展覧会開催にこぎつけて下さった各位、並びに各運営委員の方々に深甚の感謝を捧げる。

我々は決して忘れない。
2007年秋に…
委員長  山内 秀臣

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