鈴木喜美子展
鈴木喜美子展
会 期 :2017年3月6日(月)〜3月11日(土)
開廊時間 :11:00〜18:30 (初日13時から、最終日18時まで)
会 場 :井上画廊
〒104-0061 東京都中央区銀座3-5-6 井上商会ビル3F
tel. 03-3562-1914
○鈴木喜美子展に寄せて
世界遺産日光と言えば有名だが、その裏にある足尾銅山は負の遺産として
別の意味で有名である。日光からひと山越えるとそこには鈴木先生の絵の世
界が展開する。はげ山と朽ちた工場跡が渡良瀬川に沿って上流に延々と続き、
町は過疎化し、人の気配が全く感じられない。途中の三川合流ダムで一般の
人は立入り禁止となるが、その先も延々と茶色の土がむき出しの山々が続き、
煙害の爪痕が 100年たっても癒えない様を呈している。
1900年初頭、全国銅産出量の4割を占めた足尾銅山は、その反面、樹木伐
採による洪水や精錬の煙害等で近隣にとてつもない被害をもたらした負の遺
産として有名である。
世界遺産と負の遺産。まさに江戸から昭和にかけて日本の経済発展と富国
強兵を支えた地の末路を見る思いである。その事実を冷徹に見つめ描き続け
る鈴木喜美子先生には、足尾の歴史への強い拘りと思いがあるのだろう。私
はこの思いに強く惹かれて作品を見るのである。
銀座井上画廊 武川賀美子
出品会員:鈴木 喜美子
経 歴
埼玉県草加市生
1961 福島 誠 氏に師事
1962 武蔵野美術大学入学
1981 第一回日本画廊協会展に「雪の足尾線」を出品、奨励賞受賞
第45回新制作協会展に初出品、以後連続出品
1995 東京セントラル美術館 個展
1995 栃木県総合文化センター 個展
1999 埼玉県立近代美術館 個展「足尾」─風土円環
2000 新制作協会 新作家賞受賞(同’01’03年受賞)
2001 銀座ギャラリーオカベ 個展「足尾」─風光
2005 ニューヨーク国連本部 個展
2009 銀座ギャラリーオカベ 個展「足尾」─上州の山を訪ねて
2010 草加・アコスホール 個展「足尾」─風土円環よみがえる大地を見つめて
2014 日本橋三越美術特選会出品
2015 日本橋三越美術特選会出品
2016 鈴木喜美子記念館、ミュゼ環 開館
現在 新制作協会会員
日本美術家連盟会員