~ 髙野 正晃 TAKANO Masaaki ~2014彫刻部 受賞作家展

カテゴリー: 第77回展の記録 オン 2014年3月1日
004_1
「夜の虹」
H45×W38×D30cm
FRP

004_2
「今日と明日の間」
H70×W200×D120cm
ミクストメディア
(FRP・木・陶土・紐)
004_3
<略歴>
1965 福島県生まれ
1988 新制作展 初入選
1990 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース終了
福島県総合美術展
1996 NEW ART SCENE IN IWAKI 高野正晃展(いわき市立美術館)
2000 境界を越えて いわきの美術V(いわき市立美術館)
2008 Art ! Port ! Onahama 2008(いわき市小名浜)
2009 いわきぐるっとコレクション(いわき市立美術館)
2011 いま。つくりたいもの、伝えたいこと(いわき市立美術館)
2013 新制作展 新作家賞
<作者から>
今も福島の「いわき」に住んでいる。
震災のあったあの日、僕は個展の最中だった。
テラコッタの作品は、僕の目の前で全て宙に舞い、そして床に叩きつけられ、粉々になった。
その時の状況は今でもハッキリと憶えている。
そしてそれは僕の心臓をギュウと握りしめる。
自宅もアトリエも半壊、窯は崩れ落ち、使えなくなった。
アトリエを直す気にもならず、ただただ生活に追われる毎日。
そんな時、小学生を相手に粘土のワークショップの話が来た。
その準備の為に、一人壊れたアトリエで2トンの粘土を練った。
練りあがった粘土の山で遊ぶ子どもたちの眼が、表情が僕の心を揺さぶった。
今、その粘土でこの展示の作品をつくっている。
明日も明後日も、この粘土を練ってはつくる。
僕はそれしかできない。
僕にはそれしかない。

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