~江村 忠彦 EMURA Tadahiko~2014彫刻部 受賞作家展

カテゴリー: 第77回展の記録 オン 2014年3月1日
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「ひとり」
H180×W85×D80cm
乾漆・合板
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<略歴>
1984 岡山県岡山市生まれ
2007 岡山県美術展覧会 岡山県教育長賞(’08県展賞)
2009 岡山大学大学院 教育学研究科 美術教育専攻 修了
新制作展(以後毎年出品)
第8回あさご芸術の森大賞展 優秀作品展
2010 筑波大学彫塑展(~’12)
国民文化祭おかやま2010美術展 県知事賞
2012 筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程芸術専攻修了
第76回新制作展 新作家賞
2013 第77回新制作展 新作家賞
<作者から>
最近、乾漆で彫刻を作り続けている。
強くて温かく、艶やかに胎を守り続ける漆は、過去と今と未来を繋ぐ一種のタイムカプセルのようだ。
この素材に、用具としてではなく彫刻としての可能性を夢見ている。

作品名を“ひとり”とした。
“ひとり”とは私であり、またあなたである。社会の最小単位。
ひとりの個が地に立つことを見つめ直したかった。
人の姿を借りることなく、漆に姿を託し形にしたものである。

構造体である内部の合板は、強く外に膨張しようとしている。
一方で、漆の布は、せり出そうとする合板を包み込んでいる。
相反する拮抗とそれに伴うささやかな緊張。
私はこの緊張に彫刻のことばを聴く。

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