「INORI(カウラの空)」
H200×W50×D50cm
ステンレス・木
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<略歴> |
1958 |
広島県生まれ |
1984 |
日本大学芸術学部美術科 卒業 |
1986 |
東京藝術大学大学院修了、渡米 |
1988 |
New York Studio School 入学 |
1989-90 |
「Sooner orLater Edward Albee’s Eye」ヒルウッド美術館、
ニューヨーク |
1991 |
フィリップ・スティーブ・ギャラリー、ニューヨーク 個展 |
1994 |
コロス・ギャラリー 個展、ニューヨーク |
2008 |
第10回KAJIMA彫刻コンクール 金賞 |
2012 |
第10回Sculpture by the Sea Staff prize賞、オーストラリア |
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新制作展 新作家賞(’11、’12) 協会賞(’13) |
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<作者から>
第二次世界大戦(太平洋戦争)末期の1945年(昭和20年)8月6日午前8時15分に、アメリカ軍が広島市に原子爆弾を投下した。
その時少女の瞳には、真青な澄み切った空から、キラキラ光って落ちてくるモノが映っていた。
UターンするB-29を不思議に思うやいなや、空が砕け散ったとまるでおとぎ話の様に聞かせてくれた。
その母も既に他界し、生存者の少なくなってきた広島は、来年で70年目である。
おかげさまで私は藝術を通して、命の大切さや平和のありがたさを世界中で訴えている。
そのおよそ1年前、1944年8月5日午前2時過ぎ、オーストラリアのシドニーから西250kmに位置する町カウラで、日本兵捕虜脱走事件が起きた。
『死者数235名(オーストラリア人4名、日本人231名)、日本人負傷者数108名』
今もその犠牲者の親族が広島に住んでいる。
彼らが脱走を決意した時、天空を仰ぎ自由と平和を祈ったに違いない。
70年を迎える今年、その願いが天に届く様に、この彫刻の鐘の音を日本から響かせ、鎮魂を捧げる。 |
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