~小川原隆太 OGAWAHARA Ryuta~2012彫刻部 受賞作家展

カテゴリー: 第75回展の記録 オン 2012年12月5日
003_1
「lasting nightのための習作」
セラミック
003_2
「talk to her」
180×70×70cm  楠
003_3
<略歴>
1982 旧西ドイツ ヴェストファーレン州生まれ
2006 東京藝術大学彫刻科 卒業
2007 森共同アトリエ建設
2008 東京藝術大学美術研究科彫刻専攻 修了
2011 新制作展 新作家賞
<作者から>
作品は私自身のもう一つの姿であり、制作を通して作品と向き合うということは自分自身との対話でもあります。
よりクリアに自らを投影するために作品は何処かの誰かであってはならないし、感情さえも取り除いてまるで抜け殻のような存在になるように、意図的に眼球をくり貫いています。
瞼の奥の闇の世界に広がる虚無は、私にとってのやすらぎであって、そこに隠れた自分の中心を覗き見ることで、私はもう一度自分が何者であるかを確認することが出来ます。
自分そのものを置き去りにして日常を機械化していくと、きっといつか自分を証明することが出来なくなってしまうのではないかという不安。
作品と私との間に起こる循環によって、より真実に近い自分を知ることができる希望。
相反する二つの思いが、私が制作を続ける理由の全てです。

私はこれまでに塑像での制作を続けてきましたが、新たに木彫での制作を始めました。
すぐに形にすることができず、じっくり時間をかけて彫り込んでいくことや、最初から最後まで直に作品と向き合い続けることができる制作工程が自分にとってとても新鮮で、塑像で違和感を感じていた部分が少し解決したように感じています。
木彫での経験をまた塑像に生かし、より表現の幅を広げていきたいと思います。

Copyrighted Image